森羅万笑

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ジャルジャルがM-1決勝ネタを解説!「ウソみたいにウケが変わるんですよ。」

 

2017年12月3日(日)

13回目のM-1グランプリが行われた。

 

個人的にはジャルジャルのネタは圧倒的完成度だったのでぜひ優秀してほしかった。

最後までジャルジャルの決勝落ちと、和牛の2位には納得出来なかった。

 

別記事で「なぜ彼らが勝てなかったのか」について書いたので、もし興味のある方がいれば読んで欲しい。

 

poteilong.hatenablog.com

 

この上の記事では触れていないのだが、ジャルジャルの今回のネタは本当にクオリティが高かった。

私はM-1を友人と一緒に見ていたのだが、終了後に「なぜこんなにジャルジャルのネタはクオリティが高いのか」を語り合った。

その時にいくつか気付いたことがあったのでそれを書きたい。

 

M-1決勝でのネタを見ていない人には分からない内容なので、そういう方は先に見てから読むことをおすすめする。

 

今回のジャルジャルの漫才はネタの中でも言っているが、「ゲームを盛り上げる」というルールに従って進む。

このルールが最高に面白いから何回見ても笑ってしまうのだが、ゲームを盛り上げるという特性上、やっている2人が盛り上がっているか、その盛り上がりが視聴者にまで伝わるかどうか、がウケに影響してくる。

 

普通の漫才は、コンビが視聴者を笑かしにくるが、ジャルジャルのは少し特殊で「一緒に盛り上がる」というベクトルなのだ。

 

なので、

・2人が盛り上がってるように見えること

・それが視聴者に伝わっていること

が重要になる。

 

そして漫才を見ていて、この2つのためにわざわざジャルジャルがしているであろうことを見つけた。

まず、盛り上がってるように見せるためにしているのが、

ピンが5回続いた後やピンが5回続くと見せかけて続かなかった後などに、2人がジャンプするところがあるのだが、そこの着地のタイミングをきれいに合わせている。

 

これが見ている側に絶妙な2人の一体感を演出している。

後藤は実際タイミング的に片足しか上げていないのだが、

2人の着地のタイミングはきれいに合っている。

 

そして視聴者にこのゲームの緊迫感や盛り上がりを伝えるためにしていたのが、

ピンを5回続けて言う時の、後藤の指を折って数えるシーンである。

5回連続のところは、このゲーム一番の盛り上がりポイントである。

これをしっかり視聴者に伝えるために、後藤が指を折って数えているのだが、この指を出すタイミングが完璧なのである。

3回目から後藤は手を出す。

これは視聴者側もちょうど、「あ、もしかしてピン5回来る?」と疑い出すタイミングなのだ。

このタイミングも絶妙すぎて本当に感動してしまった。

 

初めて見た時は本当に笑ってばかりだったが、改めて何度も見返すとこういったことが分かってきて、本当にどんどん感動が増していった。

にも関わらず負けてしまったので本当に残念だった。

 

きっと誰より悶々とした気持ちだったのは本人たちだったと思う。

 

 

 

そんなモヤモヤを想像しながら、M-1後、ふとジャルジャルのラジオを聞いていた。

 

そこには徹底的にネタ作りに打ち込むジャルジャルならではの素晴らしいこだわりがあり、それがまさに上で書いていたようなことも含まれていたのでぜひ紹介したい。

 

 

 

福徳「漫才というのはほんと繊細でね。コントなんかより全然繊細でね」

後藤「繊細ですね」

福徳「M-1決勝見た方は分かると思いますが、僕がピンを5回連続で言うくだり。ピーン、ピーン、ピーン、ってね。で、後藤がね、途中、手を出して数え始めるんです」

後藤「ほんまにね、見てない人は意味分からんと思うけど、ピーンって言われた僕は『背筋伸びてるやん!』って言うんですよ。ほんでその『背筋伸びてるやん!』ってのが5回続いたら『背筋伸び切ってるやん!』って言わなあかんって、そういうネタなんですけど

そのー、5回をカウントするんですね、僕が。んで、何回目から指を出しだすか。細かいことですよ」

福徳「最初2で出しててんな」

後藤「2回目から数えだしててん。いや、これ3回目からの方がええんちゃうか、ってな」

福徳「でも最初は1回単位で区切ってたのに、途中後半の方は、いや3回目の後半の方やな。ギリギリで出すみたいな」

後藤「そう、そういう作業でしたね」

福徳「ただ、これがね、ウソみたいに変わんねんな。ウソみたいにウケが変わるんすよ」

後藤「細かいことやと思うんやけど大事やねんな」

福徳「それこそ倒置法とかもあるよな。倒置法にするだけでウケるとかな」

後藤「あるなー」

福徳「これ不思議よなー」

      出典:しゃべってんじゃねえよ! | bayfm78 | radioinfo.radiko.jp ラジオウェブ

 

これを聞いてやはりジャルジャルは漫才へのリスペクトが強いのだと感じた。

あれだけコントの土俵で戦ってきた2人でありながら、漫才へのリスペクトも一切欠かさない。

 

そしてこの圧倒的な漫才作りへのクオリティのこだわり。

本当にすごい。

やはり自分なんかが気付いたことよりも数倍も作り込まれていた。

 

 

本当に素晴らしいエンターテイナーだと思う。

これからも応援しています。